限定霧子の構図が非常に面白い

シャニマス

こんにちは。

今回はアイドルマスターシャイニーカラーズ(ちぢめてシャニマス)にて2022年1月11日に排出された限定カード「午・燦・娘・娘 幽谷霧子」の絵が非常に興味深かったため、急遽綴ることにした。

最近のシャニマスは私の目から見てどこかイラストレーターの欲望みたいなものが伺えず、「なぜその構図になったのか?」みたいな絵も一部だが存在していたため、正直ずっとソワソワしていた。
しかし内情もわからないため、ひょっとすると絵の構成を担当する人が変わってしまったのではないかと密かに考えることもあったのだ。

しかし、今回の絵の登場により、若干荒削りのようにも見えるがまだ熱のようなものが消えていないのではないかと思った、そんな一枚だ。

以下画像の引用元:©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.



これ

これだ。

早速順番に情報を整理していきたい。

まず気になるのが、全体的に色情報が少ないことだろう。茶色から白、黒にかけての色は、レトロで荒廃した雰囲気を出しやすく、「思い出」という意味を込めやすくなる。本来なら色情報はギラギラにならない程度には鮮やかな配色のほうがゲームとして受けるはずだが、それ以上のメッセージ性が込められているのだろう。私は持っていないが、多分なんか、そういう感じのコミュなんだろう多分。
皆にもどこか「今」の絵ではなく、「あの時」の絵に感じるのではないだろうか。そういう時間操作を色で説明することが出来るのだ。

次に、手前にある椅子などのオブジェクトがボケているところが、この米粒みたいなアイドル達を際立たせる材料になっている。
周りの情報を削られた絵というのは、焦点の合う情報に視線が誘導される。それによって違和感なくこのアイドル達の小ささを実現しているのだ。
昔風野灯織ちゃんのイラストの説明でも言及したが、相変わらずメインの女の子達を小さくしすぎではないだろうか。

線で囲えばそのバランスの異常性がわかるだろう

こんなんなのである。



普通

こうとか


こうだろうが

このデカいキャンパスに、チロっとしか配置しないのだ。凄まじい根性である。



そして最後のポイント、この絵には構図の定石らしいものがあまり見当たらない。

ハッキリ言って普通の絵ならかなり物足りない構図だろう。手前の椅子などはそれそのものが明確な目的や意味を持つわけではなく、ただ存在しているだけだ。
どういうことかと言うと、無意識に皆が良いと思う絵には、実は何かしらの目的やコンセプトになる情報がわかりやすく散りばめられている。プールをバックに、水着のお姉ちゃんがはしゃいでいるならコンセプトは「おっぱいプール」、といったように、ある程度単語でまとまるようになっているのだ。

しかし、この絵はそれらの情報の力が極めて弱い。一瞬皆も迷ったのではないだろうか。「なにをしているの?」と。後ろの椅子を運んでいる様子から引っ越しや荷物の整理ということは導き出せるが、だいぶ曖昧だと思う。というか普通に迷走してるレベルですよこの構図。

しかしこれはキャラクターゲームだ、我々は絵を見て「アイドルどこ?」と目で探し「アイドル見つけたー!」から絵の情報を吸収する順番になる。その対象がどれほど小さかろうと、絵のタイトルは「霧子のワンシーン」として形になるのだ。そもそもの視線誘導のロジックが違う、凄い発見ではないだろうか。

これらを意識しているかは正直わからないが、実際にこの構図を提案し、世にリリースするというところまで運んでいった気概を私は評価したいと思う。

一時期かなり半信半疑になっていたが、この"歪み方"に安心した。という話でした。


以上、読んでくれてありがとう。






霧子だいぶ椅子の重いとこ持たされてない?